ラーメン店開業の厳しさ

ラーメン店開業の厳しさ

ラーメン屋さん開業が厳しい理由

ラーメン店が現在どのくらいあるかご存知でしょうか?2017年現在全国で約32000店のラーメン店が開業しています。ファミレスや、中華料理などラーメンを取り扱う店舗も合計すると約20万店にまで膨れ上がります。ちなみにコンビニの全店合計が56000軒となり、ラーメン専門店だけでもコンビニに迫る勢いの数です。

ラーメン店の事情は15年前とは大きく変わっています。飲酒運転の規制が厳しくなった影響で、ドライバーのモラルも高まったため、路上駐車してラーメンを食べに来るという客がめっぽう減りました。

今の時代
「味だけで勝負できない」
「1人でやる個人経営の場合、客数は1日平均約70人で人を雇う分岐点に入るのが難しい事」
「ラーメンで続けられる場所は意外と限られています。駅前もしくは駐車場が5台程度確保できるロードサイドどちらにしても家賃が高めの場所を選ばざるを得えない」

僕が美味いと思った店でもマズイと評する人がいます。逆もまた然りです。
ここまで評価の割れる食べ物が他にあるでしょうか?

飽和状態の激戦区ラーメン屋という業種は飲食業の中でも一二位を争う厳しさです。

美味しいラーメン屋さんが潰れる理由とは?

これまで美味しいラーメン屋さんが潰れていくの何件も見てきました。
そういった店の特徴は明らかに原価と、時間のかけ過ぎでした。
時間というのが実は最大のコストで身がひとつである以上仕込みの時間が長いほど
営業時間は短くなり、体もキツくなり先細りになってしまいます。

何より自分が倒れたら終わりです。

時間と健康をコストとして考える

もしこれを読んでいらっしゃる方にラーメン屋さんを開業したいという方がいらっしゃったら
まずは自分一人ではなく社員を一人雇った状態で想定してください。

大切な人を大事にするためにも自身の健康を守る事、睡眠と休息は一番大切な事です。

数字は創造を現実に変える近道

僕は数字というものをあくまで「できる」という確信を作るための妄想だと考えています。

かつてアインシュタインは相対性理論で「光より早い物はない」という現実を生み出しました。
100年以上この法則に基づき様々な発明・進化発展を遂げてきましたが、一昨年光より早い素粒子が発見されました。

では今まで相対性理論に基づき発明・発見された物は何故、まかり通っているのでしょう?
逆説的に考えるとその法則を信じたからこそ生まれた現実なのです。
ジャンボジェットが何故飛ぶのかすら科学では解明されていないのです。
しかし、こういうふうに作れば空を飛べる。という法則を信じているから飛ぶのです。

話は脱線しましたが、数字という物は万国共通で使える言語であり、最も真理に近い記号です。
この数字に当てはめる事で「できる」という確信を掴めればそれはできる事です。

これから一見現実的な皮算用を始めますが、あくまで皮算用なので「これは違う」と感じる方は
ご自身にとってリアルな数字を当てはめて考えてみてください。

月給25万で社保全部付けると社員一人約34万円X2(自分を含める)=約68万円
バイトで8時間X26日X900円で187200円
家賃15~30万
光熱費約15万円

最低限で考えても固定費が117万円
原価率30%だとこれだけ稼ぐには167万円
26日営業(週一休み)で日に46000円稼がなければなりません。

これを客数70人で割ると客単価660円(70人という数字は客単価からきています)

自分の手取り25万円でよければこのような換算になります。
これを見て「客数70人で客単660円なら余裕」と思える人なら「できる」人です。

皮算用であれ数字がもたらす効果は絶大です。問題点・工夫の余地が見えてきます。
また、現在お店を経営されている方もこの皮算用に当てはめてみてください。

原価率30%くらいと算用していると実は40%超えていたなんて事がままあります。
原価率というと食材だけと考えがちですが、消耗品すべてが原価です。

理想のラーメンとは?

ここまでの長文を読んでいただいた方ありがとうございます。

最後にまとめさせていただくとお客さんにとっても
オーナーにとっても理想のラーメンは原価率の低いラーメンです。

職人気質の方にとって腹立たしい話かもしれませんが、
どんなラーメンマニアでもカップラーメンを受け入れてます。
むしろカップラーメンや、家庭で食べた袋の生麺がルーツになっています。

職人さんであれば味の研鑽こそやりがいかもしれません。
しかしそこに「効率」や「コスト」の研鑽も視野に入れてみてはいかがでしょう。

参考までに大手ラーメンチェーンの手法を見ると
ラーメン自体のコストはもの凄く安いです。業務用スープをお湯で溶いただけのラーメンで
原価で言えば8~15%くらいでしょう。さらにチャーハン・餃子などラーメン好きに欠かせないセットを1000円以下で抑え、そちらに誘導し客単を引き上げています。

実質的にはサイドメニューの原価率はさらに低く、業務用冷凍餃子が30個入りで200円
これを5個でで販売したとしても原価は33円。150円で販売したとしても100円が利益となり、
総額1000円以下の商品ながら粗利率が10%以上アップします。

このように大手チェーンでは「味」ではなく「お得」という価値で客単を引き上げた上で「満足」を売っています。

一人だとセットは・・・という方は揚物の導入を考えてみてください。
フライヤーに入れるだけで餃子よりも手間はかかりません。

お客様というのは「味」だけを買っているわけではありません。
「味」もまた「雰囲気」・「価格」・「サービス」などの要素のひとつにすぎません。
お客さまはそれらをトータルした「満足」を買っているのです。

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