ニューロマーケティングでわかる!深層心理が欲しくなる商品の売り方

購入する時脳が痛む!?脳科学からわかった購入動機

皆様はニューロマーケティングをご存知でしょうか?ニューロマーケティングとは脳科学の知識をマーケティングに応用するという概念です。

従来のリサーチ手法ではとらえきれない人の無意識から生じる行動原理を、脳の活動から明らかするアプローチです。

ニューロマーケティングを活用することで、消費者の無意識のこころの動きを定量化し、消費者の「本音」を理解することが可能になります。

ニューロマーケティングの研究による発見の一つに、何かを買う行為により、脳の痛みの中枢が活性化する場合があるということです。

カーネギー・メロン大学とスタンフォード大学の研究者たちが行なった面白い実験があります。複数の被験者に現金を渡し、値段のついた商品を見せて脳の活動を記録する実験を行いました。

商品は

  • ・値段が高すぎるモノ
  • ・お買い得なモノ
  • ・必要なもの
  • ・いらないもの
  • ・面白くて高いもの

このように様々な商品を用意し、被験者はもらった現金でそれらの商品を買っても構わないし、金は使わず取っておいても構わない。

研究者たちは被験者の自己申告による購入意思と、脳スキャンのデータ、実際の購入の有無を比較した。

価格の大小は関係ない!?適正な価格に脳は安心する

その研究結果、自己申告した購入意思とほぼ同様に、脳スキャンが被験者の購買行動を予測していたのです。つまり被験者が何をするつもりか知らなくても、脳スキャンを見れば、被験者に何をするのつもりか直接聞いたのとと同じくらい正確な結果が得られたことになります。

価格が引き起こす脳の[否定的]活性化は相対的なもの。つまり、単に金額が大きいか小さいかではなく、その商品に対して価格が適正かどうかが問題となります。

車を買う場合、人はほとんど脳に痛みを感じることなく付属品の数万円も費やすかもしれませんが、自動販売機に小銭を入れて何も出てこなければ頭にくるというわけです。

セット販売は痛みを最小限に抑える

車を豪華フル装備で販売した場合、複数のアイテムが含まれているため、先に述べた、脳の「否定的活性化」は最小限に抑えられます。

消費者はセットになっている個々のアイテムと具体的な価格を結びつけることができず、販売価格が適正であるか、付属品が価格に見合っているかを簡単には判断できません。

実際にかかる金額が「痛み」を引き起こすのではなく、販売価格が適正か不適正かの認識こそが、痛みの反応を生み出すのです。

ある提案の販売価格以外の部分が不適正だと印象を与えた場合も、おそらく値段が高すぎる場合と似たような反応を引き起こすのでしょう。

適正価格は見せ方によって変わる

あるアイテムの[適正」な価格は一つとは限りません。スターバックスで販売されるコーヒーの適正価格は、街角の屋台で売られているコーヒーよりも高くなるでしょう。

料理なども写真の撮り方一つで雰囲気がかわります。これは私のテクニックの一つですが、切り抜き画像は比較的「安く」見えるため、ついでに頼みそうなメニューなどを切り抜きで表現し、逆に背景の色やオブジェクトで高級感を出してから、一般的な価格で見せるとそれは「お得」にみえます。

このように様々なテクニックを用いてお客様に「安く」「お得」を感じさせる事で購買につながります。

鎮痛剤としてのクレジットカード

基本的に、ローウェンスタインは自分の研究がニューロマーケティングに活用させることに積極的だった訳ではなく、クレジットカード会社は彼の原則を利用し、消費者に金を浪費するように促すことで長年繁栄してきたのだと、ローウェンスタインは指摘する。

痛みを最小限に抑えれば売り上げが最大限に伸びる

価格設定と製品そのものは、支払いの痛みを最小限にとどめるべく最適な価格に設定しなくてはなりません。まず、価格が適正と思われなければならない。売る商品がほかの商品より高いなら、それが上質な商品である理由を、時間をかけてよく説明することが必要です。

いかなる理由であれ、金額が高く、顧客から「痛い!」との反応を受けそうな状況ならば、別途のアイテムをプラスしてセット販売にし、痛みを和らげることができないかどうかを検討しましょう。

「支払い条件」や「クレジット払い」の選択肢を設けることでも、支払いの痛みを減らすことが出来ます。金銭的に余裕のないお客に商品を無理に買わせてはいけませんが、裕福なお客であっても、現金ですぐに支払いをする必要がなくなると、痛みをあまり感じなくなるのです。

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